今でも、ときどき自分の子ども時代のことを思い出します。仕事の昼休み、温かいコーヒーと小さなお菓子を口にしながら、ふっと心が昭和の頃へと戻っていく瞬間があります。10円玉や20円玉をにぎりしめ、放課後の道を急いで駄菓子屋さんへ向かった、あの胸の高鳴り。
ガラスケースの中に並ぶ色とりどりのお菓子を前に、「今日はどれにしよう」と真剣に悩んだ時間。その横で、同じように迷っている友だちの顔や、店主のおばさんの優しいまなざしまで、ありありと思い出されます。
ようやく選んだお菓子を、友だちと交換したり、半分こしたり。あの頃のお菓子は、ただの“おやつ”ではなく、笑顔や会話、そして小さな絆を運んでくれる存在でした。
ここでは、そんな思い出がぎゅっと詰まった懐かしいお菓子を、5つご紹介します。
1
ペロタン・ペロティは、アニメキャラクターが印刷されたぺろぺろチョコ。キャラの顔が消えてしまうのが名残惜しくて、絵が見えなくなるまで大事にゆっくりとなめていました。小さな口の中に広がる甘さと、胸の奥に広がる嬉しさは、今も忘れられません。
2
キャンレディは、当時まだ珍しかったヨーグルト味。どこかおしゃれで、少しだけ背伸びをした気持ちになれるお菓子でした。食べ終わった箱は宝物入れに。大切な紙切れや小さなビーズをこっそりしまって、ひとりで開いてはドキドキしていました。
3
チョコバットエースは、なんといっても「当たり付き」。包み紙を開く一瞬の期待感は格別で、「当たり」の文字を探す目はいつも真剣でした。たとえハズレでも、そのドキドキそのものが楽しかったのだと思います。
4
ニッキ紙は、昭和30年ごろのお菓子。シナモンの独特の香りと、少し不思議な風味。好きな人と苦手な人がはっきり分かれる味でしたが、私にとっては心に残る“昭和の匂い”そのものでした。
5
そして梅ジャム。ミルクせんべいに塗って食べる、あの甘酸っぱさ。指先に少しだけ残る香りまで、今も記憶の奥にやさしく残っています。
どのお菓子を、どこのお店で買っていたかまで、今でもはっきり思い出せます。木の棚、薄暗い照明、ほのかに混ざりあった駄菓子の匂い。夕暮れの空と、帰り道の足どり。あの頃のわくわくと切なさが、いまも心の片隅で静かに寄り添っています。
みなさまの思い出に残っている「懐かしいお菓子」は、どんな味でしょうか。誰と食べて、どんな場面と結びついていますか。お菓子を思い出すと、あの頃の自分や、大切な人の笑顔まで、そっとよみがえってくる気がします。これからも、ときどき心の引き出しを開けて、あたたかな記憶を一緒にたどっていきたいですね。
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