「昔の冬はもっと寒かった。現代は地球全体で温かくなってきているし、暖房は灯油代もかかるから、なるべくつけないでおこう」「これくらいの寒さなら、昔から耐えてきたから大丈夫」。
このように話される高齢の方は少なくないようです。
極寒の真冬にもかかわらず、部屋に暖房を入れず、電気代や灯油代を気にして、いわば根性で寒さに耐えておられる方もいます。しかし、それは本当に安全なのでしょうか。命がけで節約をしてまで、果たして何が残るのでしょうか。現代の人は「たるんでいる」のでしょうか。それとも、冬の厳しさそのものが変わってきているのでしょうか。
まずは、客観的なデータを見てみます。気象庁の記録によると、日本で観測された最も低い気温は、1902年に北海道旭川で記録されたマイナス41度です。一方、2024年には北海道江丹別でマイナス29度が観測されています。また積雪量に目を向けると、滋賀県の伊吹山では1927年に1メートルを超える積雪が記録されています。
このように見ていくと、1900年代初頭も2024年も、どちらも十分に寒い冬であったことがわかります。寒さや気温は年ごとの変動が大きく、昔と今を単純に比較することは難しいと言えるでしょう。
では、私たちが体感する寒さはどうでしょうか。ここで注目したいのが、防寒グッズや衣服、靴、暖房器具の発展です。かつては湯たんぽや火鉢が主流でしたが、現在では電気毛布や床暖房が普及しています。コンビニの入口が二重扉になっている地域もあり、寒さを遮断する工夫が随所に見られます。コートの素材は進化し、裏起毛のブーツなど、防寒性に優れた製品も数多く登場しています。
こうした点を踏まえると、暖房設備や住宅環境といった「家の中の事情」に限れば、現代の冬は昔よりも快適に過ごせるようになっていると結論づけられます。こたつに入りながらアイスを食べるという光景も、寒さを我慢する時代から、快適さを選べる時代へと変化した、生活の豊かさを象徴しているのかもしれません。
0コメント