冬は、キッチンのシンクの蛇口から温かいお湯が出ることが、本当にありがたく感じます。
皿洗いや調理のときに冷たい思いをしなくて済むからです。手が温まると、家事へのやる気もちゃんと湧いてきます。昔と比べて、今は良い時代になりました。
ですが、昭和の台所にも、趣というか、古き時代の匂いがあったなあと思います。
今回は、昔懐かしの昭和の台所を思い出してみます。
なんといっても、昭和感のある台所といえば、ジブリ作品の『となりのトトロ』。
描写されているメイとさつきたちの家に、ちらりと映っていた台所を思い浮かべると、
・少し傾いた木の床、きしむ音
・年季の入った流し台、金属がくすんでいる
・ガスコンロ(またはかまど)の周りに黒ずんだ壁(まっくろくろすけがいる)
・窓から入るやわらかい自然光と、舞うほこり
・柱や梁がむき出しで、家そのものが呼吸している感じ
「きれい」ではないけれど、ちゃんと人が暮らしている温度があります。
特に昭和の古い家は、
修理しながら使い続ける
多少の隙間風は当たり前
道具は新品より「使い込まれたもの」
という感覚が普通でした。だから、トトロの台所の古び方は、とてもリアルなんですね。
それに、
鍋のふたがカタカタ鳴ったり、
水をくむ音が響いたり、
夕方になると少し薄暗くなったり――
そういう音と光の記憶まで含めて、昭和の台所なのだと思います。
だから、
「ボロ家のふるびた台所風景」
という表現は、とても的確です。
あれは「貧しさ」ではなく、時間が積み重なった暮らしの姿なのでしょう。
もちろん、あの台所で炊事をするのがつらくて、改良を重ね、現代のシステムキッチンにたどり着いているわけですから、不便を工夫して重ねてきた人々にも、尊敬の念を抱きます。
昔を知ることで、今のありがたさに気づくことも、きっとあるのだと思います。
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